-イラク邦人拉致事件をこう考える: column02 -

 

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・事件概要

『カタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」は2004/04/08日午後(日本時間同日夜)、「サラヤ・ムジャヒディン(戦士 隊)」と名乗る組織が日本人3人を拘束したと報じ、3 人の様子が映ったビデオ映像を流した。この組織は 自衛隊が3日以内にイラクから撤退しなければ3人 を殺害すると脅迫しているという。これに対し、日本政府は3人の即時解放を求めるとともに、自衛隊については撤退しない方針を明らかにした。』

http://www.yomiuri.co.jp/features/gulf2/200404/gu20040409_01.htm(読売新聞HPより引用)

被害者は
『非政府組織(NGO)代表の今井紀明さん(18)=札幌市西区宮の沢2条2ノ3ノ24、フォトジャーナリストの郡山総一郎さん (32)=東京都杉並区高円寺南5ノ37ノ19―101、ボランティアの高遠菜穂子さん(34)=北海道千歳市上長都1058=の3人』http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt69/20040415AS2M1101515042004.html(日経新聞HPより引用)

2004/04/15 人質解放される。 解放された人質のコメント。

高遠さん「イラク人をいになれない」「イラクでのボランティアは続けるよ」

郡山さん(政府の救出努力に対して)「関係えよ」

今井さん「が助けてくれなんて言った?」

 

−−−−

2004/04/11 の私の見解

イラクの邦人人質(?)問題は解決ですか。それとも声明だけですか。

とりあえず、イラク撤退しなかったのは良い判断です。

日本と相対するときに「日本には人質を取ればどんな要求してもOK」なんて事になれば

怖くて生きていけません。

さて、

今井さんは3月に高校を卒業。在学中にイラクで使用された劣化ウラン弾の
廃絶を訴える市民団体を設立した。高遠さんと絵本を作って劣化ウラン弾の
危険性を訴える計画で、「まず自分の目でイラクを見たい」と話して いた。
(読売新聞)

日本政府が「危ないのでイラクに行かないで下さい」という忠告を発しているにも

考えずにイラクへ飛び出していって、何が「危険性を訴えたい」んでしょうか?

他人の忠告には耳を貸さず、他人に忠告しようとする人の如何に危険な事か。



「劣化ウラン弾」という危険そうな響きによる兵器廃絶運動なのでしょうか?

鉛(鉛弾)だって生体には毒です。

劣化ウランについての科学的な検証は済ませたのでしょうか?

そして、既に埋まってしまった劣化ウランへの対策はもっているのでしょうか?

劣化ウラン弾などやめよう!という意見よりも、

劣化ウラン弾への「対策」の方がより実用的かつ必要とされているのではないでしょうか?

そもそも劣化ウランとは何なのでしょうか?
広辞苑によると、
『天然ウランよりも、ウラン235の含有量の低いウラン。
原子炉の使用済み核燃料やウラン濃縮の際の
廃棄物として得られる。減損ウラン。』

という事です。

ウランにはウラン235とウラン238、すなわち、重さの違う2種類のウランがあり、
天然にはウラン235が0.7%、ウラン238が99.3%で
核分裂を起こすのはウラン235の方です。
軍事的な目的では、100%近くまで、発電用では3%程度まで
ウラン235の割合を上げて使用するそうです。
蛇足ですが、ウラン238の原子核に中性子をぶつけると吸収され、プルトニウム239になり
こちらを原爆として使う方が技術的に簡単だそうです。
日本に落とされた原爆は両方のタイプで、広島に落とされたリトルボーイはウラン235
長崎に落とされたファットマンはプルトニウム239を使ったものだそうです。

という事は、この広辞苑によると、劣化ウランとは多くがウラン238であるウランの事のようです。
ウラン238の方は、崩壊を繰り返し、鉛206になります。
半減期(ウラン1kgを放っておいたら気がついたらウランが0.5kgになるまでの時間)は45億年
この間、高校の頃の物理のノートを参考にすると、
U238 → Th234 → Pa234 → U234 → Th230 → Ra226 → Rn222 →
Po218 → Pb214 → Bi214 → Tl210 → Pb210 → Bi210 → Po210 → Pb206
とまあ、沢山崩壊を繰り返しますが、この間なんと45億年かかりまして、
最初のU238 → Th234に数十億年かかり、この崩壊はアルファ崩壊だそうです。
今言ったように、劣化ウランは、主にアルファ線を放出します。
(計算していただければわかるように、アルファ崩壊:8回 ベータ崩壊:6回です。)
アルファ線とは陽子2個と中性子2個から成るヘリウム(ヘリウム4)の
高速に動く原子核の事です。
高速に動くのでエネルギーを持っています。人体に有害です。
しかし、原子と反応しやすいため、飛ぶ速さがすぐに遅くなります。
そのため、アルファ線は紙一枚で止める事ができるそうです。
服着ていれば大丈夫!良かったですね。
怖いのは、アルファ線を放出する物質を食べちゃって、
おなかの中から被曝、吸い込んじゃって肺から被曝したりするとモロに来るので注意です。
詳しくはhttp://www.fepc.or.jp/genshi/genshi9/genshi9b.htmlの画像をどうぞ。

ちなみに、アルファ線:高速のヘリウム ベータ線:電子 です。
(↑頑張って高校の頃の物理のノート見直したり調べたりしてます ^^;; )
なお、世間では放射能。放射能と言っていますが、放射能[radioactivity]とは
放射線を出す能力の事で、放射線自体とは関係ありません。


とりあえず、今日はここまで。

劣化ウランが実際どうなのかは知りませんし、結論も出してません。

素人考えは危ないのです。でも、目は閉じないようにします。

 

−−−−

2004/04/12の見解

以下は、自分の命も顧みない高卒生、今井君と年齢のかわらない人が書いたテキストです。

考え漏れや、それ以前に「知らない事」や「経験の少なさ」に起因する不備がある事でしょう。

できれば、私の書いた事を疑いつつ読んで欲しいと思います。

情報を隠して、目が見えないようにした上で「納得(=盲信)」させるという

良くプロパガンダに使われる手法(例1『あるのに違いありません』あたりを良く考えてください。)

(例2『犯罪者の「信義」って何なのか良く考えてください。』)はあまり好きではないのです。便利ですが。

#カルト宗教団体の見分けるポイントはその団体のエライ人の言う事を無批判に聞きなさい、という姿勢を強要する所。



犯罪者との取引という文脈で自衛隊を撤退させてはなりません。

人質の命を考える事と自衛隊撤退は別の問題です。

自称「人質の命を大切にしている」自衛隊撤退論者は、

犯罪者の要求を繰り返し述べているだけ、あるいは

事件以前のその個人/団体の「自衛隊撤退」主張を

犯罪者の要求-自衛隊撤退-を受け入れる事が人命尊重する事である、と

話を挿げ替え、自ら思索しようとしない者を同調させようとしているに過ぎません。

繰り返しますが、人質の人命を大切にするか、という問題と、自衛隊撤退問題は全く別問題です。

(#大体、自分の命くらいは大切にして、イラクに行くな、と言いたい。)

人質の家族の一人高遠氏の弟は

「人命は地球より重いという。人の命は優先していただけているのか」

などと言っています。断言しますが、地球の方が人ひとりや、人3にんの命よりも重いです。

そこには何十億もの人命があるのですから。



さて、まずは以下のような認識が大切である、と考えます。

1) 「要求を呑めば解放される」という保障は無い、という事。

2) 人質をとった恫喝という手段が日本に有効である事が証明されるならば、
第二、第三の模倣犯出現、日本に対する人質戦略の増加の可能性がある事。

3) 日本政府は事件以前から『危険であるためイラクへ行くな』と
言っているのを人質は無視して行った、という事。



1)については、犯人の主張は殺す→彼らを守る→解放する→未だ解放ならず(?)と

二転三転している事に鑑みても、信憑性の薄いものである、と言う事ができます。

2)については、国内の動揺、[朝日新聞系|左翼系]活動家の宣伝や、

(#私は「左翼系」とばっさり切って捨てていますが、本当にそうなのかは自分で判断すべきです。目を閉じない。)

「人質の命を守るために自衛隊撤退を」といった「抱き合わせ」署名

を見て、有効と判断されたのでしょうか、既に模倣犯が出ています。

4/10のアハメド・ヤシン旅団が「日本人を含む30人の外国人を人質にとっている」と主張したものです。

ダッカ日航機ハイジャック事件
(福田官房長官のパパ、福田赳夫首相が「人命は地球より重い」と日本赤軍の要求に応じた事件)

の後、海外邦人が人質にとられる事件が増えたとも聞きます。(←確証の持てるソースが提示できません。)

如何に犯罪行為に屈しないだけでなく、動揺しない事、

犯罪者の要求の吟味すらもしない事が重要であるかが窺い知れます。

#丸腰の民間人襲ってさ、神の名前剽窃してさ、何寝言抜かしてんだよオマエ、って事です。

3) 殉職された外交官の方もいらっしゃいました。

そういう地域に行くからには、もう、高校も卒業し、判断力を備えているはずの

彼らには覚悟があったはずです。

危険だ、と言っている地域に自ら進んで行った。

自分の判断の責任を国へ転嫁するなど、恥知らずもいい所でしょう。

#彼らの行動は踏み切りで走ってる電車に飛び込むよりも何百倍も迷惑の掛かる自殺行為。



以上、要は、命って大切だよー、という隠れ蓑着て、

気に入らないと思ってた人を叩いたりしている奴らが気に食わないんです。

だまされんぞ。



今井君って子、同い年だと思うんだけど、

ゲリラ戦場になんて行って、家族は止めてくれなかったのかな。

私が親なら「お前の立派な理想よりも、お前の命の方が大切だ」

って言って止めるのにな。殴ってでも。

 

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2004/04/16 理想について

こと、「援助」と言うことを考えると、最も大切なのは、
「身の丈にあった援助」です。現実を見ない理想主義の実行など、
迷惑以外のなにものでもありませんし、
結果として、結果論としても迷惑をかけることになりました。
そして、戦地へ赴く人間として、その結果は予想の範疇のはずなのです。

また、多くの戦争が理想主義に起因することも、見逃せません。
イスラムとユダヤはお互いの、理想、「神」のために。戦っています。
アメリカのイラク侵攻も、少なくとも名目は独裁政権から民衆を解放。
あるいは世界の平和や自国民の安寧のためでした。
極論として、地球のために人類を皆殺し、そのあとで自分達も自殺しよう、という
理想をかかげる自然保護団体があらわれたとしたらどうでしょう?
冗談じゃない、勝手に自殺だけしてくれよ。って感じです。

したがって、理想の為に行動をしているかどうか、というのを基準には、
「良い」とか、「素晴らしい」なんて判断は、皮肉を別とすれば、
できないのではないか、と思うのです。
理想とは、とりもなおさず美化された個人的な考え、の総称に過ぎないからです。
どれだけ、理想が立派でも、考えが浅ければ。
たとえば貧乏な妻子を救うために、競馬に全財産を投機した、
という人が居れば、だれしもが「バカか」と思い、
「そんな方法を取るくらいなら、理想を実行しない方が良かった」と思うことでしょう。
 

 

 

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